INTERVIEW
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公営住宅課 2022年4月 中途入社
照屋 菜々 TERUYA NANA
PROFILE
4年間県内大学で福祉について学び、社会福祉士の資格取得。行政を中心に様々な福祉の現場との出会いを経た後、事業を通じて社会課題の解決に挑むビジョンに共感し、2022年にレキオスへ中途入社。現在は、那覇市営住宅の指定管理者として入居者の募集、その他市営住宅の各種相談など前職で培った経験を活かしながら活躍しています。

『学んできた福祉を活かして挑む
真のソーシャルワーク』

前職では何をされていましたか?

大学では社会福祉を専攻し、福祉制度に広く関わりたいという思いから、卒業後に役所の障がい福祉課で働くことになりました。ここでは、身体・知的・精神に障がいのある方や難病を抱える方に対して、各種手当や福祉サービスの支給決定を担当する窓口として、利用者本人だけでなく、ケアマネジャーや療育が必要なお子さんの保護者など、幅広い相談に対応することが求められています。その中で、ご本人との意思疎通が難しいケースや、子どもの特性による子育ての課題に悩むお母さんとのやりとりも経験しました。学生の頃に学んだ、”傾聴する”” 問題だけじゃなくて背景を理解する”といった姿勢が、現場で活かされたかなと思います。

2年目は、利用者と継続的に関われる現場で経験を積みたいと考え、こども相談・健康課に勤務しました。学校や居場所、療育施設、相談員などの関係機関と連携し、地域全体で子供を見守り支援する体制づくりや、児童虐待、子育てに関する問題を抱えた家族の支援に携わっていました。保護者との関係性を築くことの難しさや、世代間の連鎖を垣間見る事もあり、長期的な視点をもった支援の重要性を実感しました。

レキオスとの出会いを教えてくだい。

行政での経験を通じて制度や支援の在り方について理解する事ができた一方で、福祉サービスを供給するために必要な財源の確保について意識が芽生えはじめました。経済性と社会貢献を両輪でまわしていくような「社会的企業」に関心が沸き、県内の企業をいろいろ探しましたが「そういうビジネス展開をしているのはレキオスしかない!チャレンジしてみたい!」と応募を決めました。

今はどんなお仕事をされていますか?

私が入社した年にちょうど受託がスタートした那覇市営住宅の指定管理の部署へ配属されました。現在は、入居者の募集・入退去に関すること、その他市営住宅の相談等の対応にあたっています。最近の傾向として、住まい探しに関するお問い合わせが多くなっている様に思います。戦後に建てられた鉄筋コンクリート造アパートの老朽化が要因で立ち退きを求められるが、入居者も高齢化が進み、住み替えが出来ない、受け皿がないという状況が背景にあります。生活保護や年金受給者、身寄りもいないとなると民間アパートはなかなか移り住むのが難しい。だから公営住宅に入りたいという問合せが多いのです。

そんな時は、出来るだけ相手の状況をお伺いするように心がけています。「経済的な事も相まってるんだったら、パーソナルサポートセンターとか。高齢者だった地域包括支援センターに相談してみてくださいね」みたいな話をしながら、抱えている課題や背景を察知して福祉制度や相談窓口に繋げたり情報提供ができたりする部分は前職の経験が活きているのかなと思います。

レキオスらしさを感じることは?

市営住宅には高齢者の単身世帯が多く、各団地の自治会独自で見守り隊を結成して巡回訪問をしています。そこの見守り会議に私達も参加したり、日頃から地域の繋がりづくりを意識しています。例えば、秋に開催した「防火フェスタ」や「防火ポスターコンテスト」もコミュニティづくりと楽しく防災意識を高めてもらう新たな仕掛けでした。

地域のつながりや高齢者の孤立を社会課題として捉えているからこそいろんな事業を通じて地域コミュニティを活性化させようという視点が入っているのがレキオスらしいなと思います。去年の大型台風が到来した際には、シルバーハウジングがある市営住宅の停電が復旧せず、断水状態が続いたため、安否確認しながら各世帯へ避難水を配布した事もありました。ここからここ迄ではなくて一歩踏み込んで自分達が関わっていくという姿勢がレキオスらしさだなって。

これからやりたい事ありますか?

人ともっと関わりたいなというのがあります。居住福祉とか居住支援で住まい探しをしたい人や、住まいに関して困っていると相談があった時に、実際に支援する立場で働いてみたい。その中で実際どれぐらい不動産会社に断られるのかとか、何が問題で断られるんだろうというのを経験してみたい。特にこれからは、賃貸管理の現場において、福祉制度や相談窓口の知識があれば問題解決や未然に防げる部分があるのかなと思います。

私が前職でやっていたのが相談窓口だったから、結構問題が表面化された状態になってからしか相談がこない。それだと問題解決の為に労力がすごくかかるが、知識がある人が現場にいれば早めに問題をキャッチして重症化する前に解決に繋げられると思う。例えば、入居申込の段階で世帯情報が得られるのでひとり親の場合、きちんと手当を受給できているのか、子育てで悩んだらこういう窓口があるよ、と情報提供もできるし。不動産会社がこういう情報を提供できる様になれば良いなと思います。

福祉を学んでいる方にメッセージを送るとしたら。

福祉を学んできた経験というか、話を傾聴するとか、尊重するとか、問題だけでなくその背景を理解する姿勢って、どの分野でも活かせる場があると思うんですけど、今の時代って、福祉分野だけでは解決できない社会課題が たくさんあるので、それを解決するための思考というか。社会的企業として取り組んでいる場所(レキオス)もあるよ。というのを伝えたい。選択肢の1つとして、民間でこういう風に働ける場所もあるよ、みたいな。

社会福祉は、ソーシャルワーク と言ったりもするんですけど、社会福祉士の資格を持ってる人が相談に乗って繋げるだけが社会福祉の仕事じゃなくて。大きな目線でみたときに、社会課題を解決するために取り組むっていうこともソーシャルワークに含まれるので、それを実践している所。社会福祉の道に進む事だけが、社会福祉を学んだことが活かされることではなくて。レキオスがやっている事自体がソーシャルワークになっていると思うんです。
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